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【お知らせ】NOMATSU棟の建築が第56回中部建築賞を受賞しました

この度、NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町のNOMATSU棟が【第56回中部建築賞】を受賞いたしました。
NOMATSU棟の建物の再生に関わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。
中部建築賞とは
この建築賞は、中部圏域の地域社会の発展に寄与し、
かつ「持続可能な社会」を目指すという時代の要請に対応し、
地域と環境に根ざした優れた作品に対して、その功績を讃える賞です。
また、建築主・施工者・設計者が対象で3者による協力体制のもと
ひとつの建築をつくりあげたことが評価されます。
NOMATSU棟の建物の再生に関わってくださった皆様に心より感謝申し上げます。
◆建築主:株式会社 NOTE伊賀上野
◆設計者:きりん
◆施工者:あづま工務店、森本建築、特定建設工事共同企業体、ドリームリフォーム株式会社
主に評価いただいたポイント
歴史ある建物の魅力を活かした改修を評価されました。今後、地域住民や滞在者とのますますの交流をご期待いただいています。
・母屋・土蔵・醸造上屋の3棟をそれぞれ独立した「離れ」として再構成し、宿泊施設としての機能性を向上させたこと
・客室ごとに異なる規模や階層を持たせ、庭を巧みに配置することで開放感を生み出していること
・濡れ縁の渡り廊下で客室をつなぎ、庭の風景を楽しむ「視点場」を増やす工夫
・醸造上屋では、客室・中庭・外部庭を組み合わせ、床の高さを調整して多層的な空間を創出したこと
・木塀による視線のコントロールや、木材の積極活用による脱炭素への配慮
>受賞内容詳細はこちら
設計者コメント:一級建築士事務所きりん 武保 学 氏
この度、中部建築賞という歴史ある賞をいただき大変光栄に思います。
この賞は企画やプロジェクトマネジメント・設計・施工・運営など、この建物の再生に関わられた全ての人を称え、その想いを共有し結実させられたことを評価したものです。皆さまに感謝申し上げます。
完成まで様々な困難がありましたが、その度に話し合い知恵を出し合える緊密な連携体制によって実現に至ることができました。
また現場をすすめていく中で、作り手の皆さんが楽しんで関わられている姿が印象的でした。
大工さん、左官屋さん、庭師さん、瓦屋さんなど多くの職人さんが仕事という領域を越えて気持ちを傾けていただけたことが、この施設のより一層の味わいにつながったと感じています。
NOMATSU棟について
NOMATSU棟は、2024年3月から新たに客室棟としての利用を開始した、江戸時代末期に建築されたとみられる歴史的な邸宅です。
松尾芭蕉の門人、広岡雪芝が暮らした「野松庵」は、この建物が建つ以前に同じ場所にあったと伝えられています。
当時の伊賀の住居構成を受け継いでおり、建物には、松尾芭蕉の俳句にちなんだ「一本松」や「虫籠窓」、「仕舞多屋(しもたや)格子」など、伝統的で美しい建築の特徴が残されています。
宿泊棟は、伝統的な町家や商店が立ち並ぶ城下町の中心地「中町」に位置し、まちなみから当時の町人の息遣いを感じることができます。
今なお残る伊賀の中心地の情緒を感じられる、特別な滞在体験を提供しています。
皆様の想いがこのような名誉ある賞の受賞に繋がりました。
これからも、1つ1つの建築に込められた想いをスタッフ一同、大切に紡いでまいります。